高嶋哲夫 作 チェーン・ディザスターズを読みながら
古くは「日本沈没」、いわゆるパニック・クライシス小説、連鎖的大災害という訳になるだろうか? チェーンディザスターズの作者は、災害シミュレーション作家の第一人者との呼び声が高いが、まさにリアリティ、臨場感、そして、痛烈なメッセージ。近年叫ばれている南海トラフ、首都直下型大地震発生がテーマというフィクション作品を読み始めている。
結局、地震は起きる起きる、というばかりで、備えのフリをする人が多い。小手先の災害グッズや備蓄、避難所設定などでお茶を濁す(無いよりはマシだが)。先の震災の教訓が本当に生かされ、備えられているだろうか。
あるいは、被災地の復興は(そこで生活していた人にとって本当に)今までのやり方で正しいだろうか?と問う。
大都市に大地震、津波がおこれば、夥しい死傷者、行方不明者が発生し交通は寸断、麻痺、仮に生きのびて避難して最低限の寝食が確保できても、大勢のヒトは混乱し困窮していく。お腹が満たされてもスマホ依存の現代、電気と電波の無い社会では生きていけない。ネットワークや電力喪失が確実に起こるということがわかっていながら、電源車や通信車の確保もなく、もっといえば首都リスク分散、人とモノそして経済の一極集中に対するアクションや提言がほぼない政治。
そして、いちばんなのは、「本当にそうなると思ってない」政治と国民、そのひとりの自分。
そうなって欲しくない、考えたくも無い、そう誰もが思っている。でも、だから思考停止なんだが。
この「脳梗塞 ワレンベルグな日々」では、自身の経験をもとに、同じように後遺症と向き合う方々へ、少しでも参考になることを伝えていければと願っている。(※当ブログではアフィリエイト広告(Amazonアソシエイトを含む)を掲載)
2022年大晦日、突然の脳梗塞(ワレンベルグ症候群)で緊急入院。寝たきりに。
2023年4月、退院し、リハビリを重ねながら自宅療養。
2024年春、1年契約でパート勤務にて社会復帰。
そして2025年春、無事契約が更新され、勤務2年目に入った。
先に始めていたNo+e版 まつ@ワレンベルグな日々、時々No+e日記|noteは、
脳梗塞で生活が一変、ワレンベルグな田舎暮らしの日々、流儀?みたいなものを今年から。
パート勤めのブログはこちらワレンベルグのパート生活(脳梗塞の狂想曲)
南海トラフを主原因とする東海・東南海地震発生から物語は始まる。
次々連鎖し起こる災害、多くの犠牲者、行方不明、機能停止の自治体、企業。
ネタバレになるので詳細は割愛するが、学者達が口を揃えて起こると断言している震災(地震と津波による被害)に対して、まず、冷静に受け容れる、そして、抗うのだ。
・知識と経験値で、犠牲者や困窮者を助け、備えのために投資を躊躇わないリーダー、
・柔軟な発想で既成の枠や慣習に囚われず、素早く判断、決断し実行できるリーダー、
・いざ事が起きたとき、24時間働ける、責任感ある若いリーダー
・海外に精通している、経済にも強い、日本経済の立ち位置を分かるリーダー
そんな(この国の歴代首相とは真逆の)リーダー像を作者は描いている。
この国難とも思われる、南海トラフ首都地震に対して、戦えるリーダーが求められる。
戦争と同じだ。相手(災害)は待ってくれない。容赦の無い試練が続く。
(政府は)個人が懸命に生きる努力をするよう訴える。生き残っていれば何かが出来る。政府はその手助けをするのだ。
そして、群衆は「本当にそうなる」と思ってない、警告忠告を聞きいれようとせず、結局、災害に巻き込まれる。
コロナ禍のように、完全なドンブリ勘定では困る。マスクやワクチンをでたらめに買い付け、余れば廃棄する。もう東京目線は通用しない。
政府の過ちは、全て東京目線で考え、日本全国にそれを押しつけようとすることだ。
コロナ禍では、およそ三年間で3万人の犠牲者、しかしこの震災は一瞬うちに15万人以上が犠牲になった(作者の試算に基づく)
いろんな運命(脳梗塞も、)をヒトは受け容れて、時には容赦の無い辛い試練もあるかも知れないが、希望を持って居なければならない。そして流されず翻弄されることなく抗う。常識や慣習、場の空気なども時に疑ったり打ち破って。
くーぺさんのお気に入りの絵本、2冊のうちの一冊を図書館で見つける。何かほのぼのとしている。自然災害であるカミナリを擬人化、寓話的に捉えて子供に伝える絵本の世界。。
今週も雨が多かった。支社の勤務、独り寂しく。
ただ。本社の勤務と違い、ゆっくりしている、気分転換になる。
お昼の休憩時間はチェーンディザスターズを読み続ける。前日は休みで、嫁とのお出かけのときも読んでいた。
チェーン・ディザ・・は、大人向けの寓話、自然災害の恐ろしさと備えの重要性、過去の震災復興の検証、若き有能な決断できるリーダーの必要性を再認識する。
振り返れば、大国の横暴に振り回され翻弄され、米騒動に奔走(しているテイを装い備蓄米を売り捌いた?)している我が国の政府。
あてにならない。
雨。
後遺症が少し強い。日替わりで日によって強弱、痛む箇所が変わる。
受け入れて生きる。抗う。
――慎ましく生きる。
――けれど、我慢ばかりでは心がすり減る。
――だから、時には癒しを。
そんな生き方、「ワレンベルグな日々」である。