脳梗塞 ワレンベルグな日々

ワレンベルグ(症候群)は脳梗塞の一種

治らないから後遺症・ワレンベルグの私

脳梗塞発症から16ヶ月、退院後、どういう後遺症に悩まされている?かについて。

アフィリエイト広告(Amazonアソシエイト含む)を掲載しているこの脳梗塞 ワレンベルグな日々」は、
脳梗塞経験者である自分が、日々感じたことなどを雑多に書いている日記。
先に始めていたNo+e版  
まつ@ワレンベルグな日々、時々No+e日記|note
にも、過去の就職までの自宅療養記をメインに日記を綴っている。
2022年大晦日脳梗塞(ワレンベルグ症候群)で入院、4ヶ月後退院。しかし後遺症のためしばらく自宅療養。入院から、約一年、日常生活はほぼ回復(ただし、後遺症がまだ続いている)。
結果、無職となり社会復帰(再就職)がようやく果たせたのは、今年2024年2月。
パート勤めのブログはこちら
ワレンベルグのパート生活(脳梗塞の狂想曲)

後遺症が悩ましい方は多いだろう。一口に脳梗塞、その症状や後遺症は、千差万別。
自分が罹ったワレンベルグ症候群では、片麻痺が多い脳梗塞と少し違い、主に嚥下障害とかフラつきなどの運動バランス障害、温痛覚異常などがよく言われる症状だ。

自分の場合は特にワレンベルグ独特の症状が表れていた。リハビリ病院に入院中は、「典型的なワレンベルグ症状」ということで、理学療法の研修生などに紹介されていた。
少し専門的だが、首より上は、左目を中心とした顔左半分の異常で、首より下は、右腕右脚の失調と温痛覚異常・というクロスする症状、まさに「試験に出る」ワレンベルグ、生き字引だ。

そして、脳梗塞の一種とは思えないぐらい運動量。リハビリ室では、自転車を最大負荷で漕いだり、マットでのバランス運動、力強いボール運動など大汗をかいて、動ける元気な脳梗塞患者。かたや、足を引きずるひとも多く、ひどい人は首すら動かせずベッドで寝たきり、同じ病棟内である。

いっぽう、病室の食事、リハ入院の頃はまだ、嚥下障害も持っていた。足を引きずる人も食事は普通に取っている、かたや、自分はベッドで横になり経管流動食。
よって鼻から胃に管で流していた。その管を鼻から出していた(マスクはしていたが)。鼻から管、なのに動けて運動できる患者は目立ったのだ。

見た目、体は元気回復、ありがたいことだ。後遺症が残っているの?と聞かれる。

後遺症、、後に遺ると書いて字のごとし、

ちなみに、後遺症が残る、という言い回しは、重複表現だそうで。
後遺症は「病気や怪我が治ってもその後まで影響が残る症状・障害」という意味。
後遺症がある とか 後遺症が回復しない とか、が正しい表現らしい。

後遺症と障害、例えば、事故などで大けがをし障害が残ったという言い方をするが。

後遺症は客観的に認定されたものではなく、治療を続けたけれども完治せずに回復できない身体上又は精神上の症状のことをいいます。
これに対し、(後遺)障害は、交通事故で受傷した精神的、肉体的な傷害が症状固定した状態で、交通事故との間に因果関係が認められ、自賠法施行令の等級に該当するもののことをさします。

完治しない、治るのだったら後遺症では無い。でも症状固定していると医学上見なされるモノでも無い、何となく残っているモノか。治りそうで治らないから後遺症、、か。
退院しているにもかかわらず。

たしかに自分の場合も、脳梗塞で初期の症状のうち、ほぼ回復したモノもいくつかあるが、治らないもの、後々じわじわ出てきたようなものもある。
例えば嚥下障害。最悪治らない場合は、胃瘻を作ったりするケースもあると聞いた。
自分の場合も、急性期では治る見込みゼロだった、最後まで回復に日数を費やした。

その最後に残った嚥下障害、普通食や液体の摂取の誤嚥が無くなりほぼ回復が認められ、運動能力は所定の基準をすでに余裕でクリアしていたので退院になった。
もちろん、発症前の体に戻ったわけではなかったが、普通の生活が出来る状態。
そして、運転免許の再認定も無事認められ、あとは、筋力や運動感覚さえ戻れば
(発症後しばらく歩けなくなって寝たきりになった期間に失われたのだ)、
取り戻せれば、社会復帰も問題ないと思っていた。
しかし、じわじわと症状がでてきたり、なかなか治らないのが後遺症である。

神経性の痺れ、痛み。自宅での普通食に戻ってから、特に食後に左顔や右脚に痺れ、痛みを感じるようになり、一時は痛み止めを飲まないとしんどいくらい強くなった。
今も日によって波がある。

そしてふらつき。フラつきについては、入院時からいろいろ変遷している。
急性期には、いわゆる回頭性めまいという、頭が左方向にすすさまじい引力で持って行かれるような倒れ方があった。座っているときでも、持って行かれる位。
さらに発症直後は、頭が揺れただけで吐き気がした。歩行訓練は、この左倒れとの闘いから始まった。
吐き気は、一週間もしない間に治まり、壁沿い、掴まり歩きにすすむ頃は、徐々に左倒れを感じなくなった。
掴まらずに一人歩きが出来るようになるのは、リハビリ病院でのキツい運動訓練が進んだ頃である。筋力も上がってきた。
しかし、代わりに、歩き出し時に、不思議な感覚、すなわち左右にフラつく症状が徐々に強くなった。退院が近づくころも治らない。
先生に聞けば、小脳・延髄をやられた場合、よくある症状で、なかなか治らないものだという説明だった。
自分的には、体力がついてきてからが勝負、もっと体幹がしっかりすれば、抑え込めると思っていた。しかし結論、治らない、抑え込めるモノでもなかった。

やり方も、運動を自己流でやっていたのと、そもそも歩けると言っても、体の左右バランスや足腰の動きが正しい動きになってない中で、運動を焦り、股関節を少し痛めてしまったり。自己流の限界というか、ダメな例だった。
脳を一度やられると、体の微妙な制御(筋運動、関節可動範囲など)がリセットされ、力は入るが協調的にうまく動かせてない。筋肉が無駄に力み続けているというか。
結果、体力はかなり回復したが、特に右脚筋肉の異常な張りがあったり。
肝心のフラつきは残っている(強い運動はいったん控えている)。 

発症から16ヶ月、退院からは一年弱となった今だが、この後遺症に対し、
痺れ、痛みには、薬(痛み止め)が処方されている。
眠気が強いので、基本夕方しかのまない。薬に頼りたくない、ひと頃に比べればだいぶましになっているような。
先週からは1日7時間のパートも始まったが、しばらくはこのまま行くと思う。

フラつきについては、いまは朝の散歩だったり散歩後のストレッチをしつつ、自然減に任せている。寝起き以外にも、座った後の立ち上がり時とか、まだふわふわする。
去年の年末は、二ヶ月ほどリハビリ病院で理学療法士について毎週リハビリを受けていた。そのおかげで、股関節痛はかなり脱し、柔軟性を上げたお陰で、バランスは改善できている。片足立ちとか、退院直後はフラフラしてたが、今は安定してきた。
首回り、肩、腰骨、股関節、足首、全ての柔軟性が大事。

 

主なものは以上だが、やはり右半身の失調で、慢性的な血流・血行不良がややある。
入院中から足先の冷えはあった。上記の柔軟改善でだいぶよくはなったが、それでも日によって膝上やモモに張りがあったり、足首が硬くなったりするときがある。
マッサージとストレッチはかかせない(ここに少しだけ手応えがある)


脳の病気のややこしいのは、感じる脳の誤作動も少しある。例えばこんなこともある。
右の掌が冷えて少しイタいと感じて、触ってみると普通に温かったりするのだ。

誤作動の例でいうと、朝、目覚めると、左眼と左こめかみ辺りがゆっくり冷えてくる。稀に痛いくらいのときもあるが、寝ているときは痛くて眠れないということは、自分の場合はない。「覚醒している時にだけ」その痛みや冷え、痺れがある・・ということは、脳が作り出している「幻想」が含まれている。たしかに、何かに夢中になっているとその痛みはどこかに行っている。痛いときに意識するな というのは無理だが。
ホント気まぐれなのだ。

こんな感じで、千差万別で日替わりで気まぐれ、直接作用の治療や薬もないという現状だが、うまく付き合っていくというのが私のワレンベルグ
一歩一歩ここまで進んできた。今はパートだが、働けるところまで回復できているのは、ラッキー、幸せなほうだ。
また、仕事の中での動作や軽い立ち仕事が、肥満を予防し最低運動量を確保し、脳や体への刺激になっていくと思う(負荷の大きい仕事や長時間労働で働けるような体は欲しいが)。
治らないという通説には抗いつつも、現状にはどこか折り合いをつけつつ、一歩ずつ。

おわり